お口の環境の悪化は生命にも関わってきます
※厚生労働省|平成 30 年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況 参照
お口の環境の悪化というのは、お口の中だけに問題を起こすと考えられがちです。でも実は、全身の健康状態に影響を与えることが少なくありません。お口は血管や、呼吸器、消化器などといった経路で全身とつながっているため、お口と体を切り離して考えることはできないのです。
お口の環境が悪くなると、時に命に関わる病気を引き起こすことがあります。特に、高齢者や要介護者においては、お口の細菌が肺の方に誤って入り込んで起こる「誤嚥性肺炎」によって、多くの方が命を落としています。
また、歯周病の原因となる細菌が出す毒素によって、身体のさまざまな病気を引き落とすことがあります。
高齢者は誤嚥性肺炎に注意
お口の中というのは、温度や湿度、栄養供給、環境といったあらゆる点において、細菌が繁殖しやすい条件がそろっています。普通、健康な状態であれば、食べ物や唾液が気管の方に誤って入っても、咳という反射によってすぐに出されるのが通常です。
ですが、反射機能の衰えた高齢者では、そのような反射が起きにくくなっているため、眠っている間などに唾液に混じった細菌が肺の方へ流れ込み、そこで知らず知らずのうちに繁殖してしまい、肺炎を起こしてしまいやすいのです。
特にお口のケアが行き届いていない場合だと、お口の中が細菌でいっぱいになっているため、そのリスクは飛躍的に高まります。
誤嚥性肺炎の症状
お口の中の細菌が原因で起こる誤嚥性肺炎。一体どんな症状が出るのでしょうか。
「肺炎」とつくので、咳や熱が出る、と思われがちですが、誤嚥性肺炎の場合は決してそうとは限りません。
代表的な症状としては、
「喉がゴロゴロと鳴る」「元気がない」「倦怠感がある」「食事に時間がかかる」「すぐむせる」「唾液を飲み込みづらい」
などが起こります。一見ひどくない症状であることも多いため見逃されやすいのですが、悪化すると呼吸不全を起こすこともあり、その結果死に至ることも珍しくありません。
歯医者へ通えない方でも訪問歯科診療で口腔ケアを
あらゆる介護ケアの中でも、特に大事な口腔ケア
要介護の方は、ご自分でお口のケアや、義歯のお手入れをすることができない、というケースがほとんどです。そのため、そのようなケアはご家族や介護者など周囲の方に行っていただくことになりますが、やはりお口以外のケアの方がどうしても優先されてしまうため、お口のケアは後回しになりがちです。また、介護する方が口腔ケアについてあまり詳しくない場合もよくあるようです。
ですが、やはりお口のケアというのは、全身の健康状態を悪化させないためにも、おいしくお食事を召し上がって楽しみを感じていただくためにも、優先されるべきものです。現に、お口のケアの大切さは、今や医科の現場でもだんだんと認識されてきています。
歯科に通うことが困難な方は訪問歯科診療を活用しましょう
ただ、歯医者へ通うということは、実際問題難しい場合も多いものです。ですが、そのような方でも、訪問歯科診療サービスを利用すれば、お口のケア、義歯のケア、誤嚥を起こりにくくするようなお口の機能訓練といった様々なケアを受けることができます。
訪問歯科診療なら、お口のケアを、歯科医院に通っているのとほぼ同等なレベルで定期的に受けることができます。また、お口のケア方法についても、お一人おひとりに最適な方法で指導を受けられますので、毎日お口を良い状態で保ちやすくなります。
お口のケアをしっかりと行うだけで、快適なお口が保たれ、ご飯も美味しくなり、人生が充実したものとなります。また、健康状態の改善も期待できますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。